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2026/09/25 コラム

離婚後の共同親権とは?単独親権との違いと選び方を弁護士が解説

「離婚後は、父母のどちらか一方だけが親権者になる」——これまで当然とされてきたこの仕組みが、2026年4月1日に施行された改正民法により変わりました。離婚後の共同親権が新たに選べるようになったのです。これから離婚を考えている方はもちろん、すでに離婚して単独親権となっている方にも関わる重要な改正です。本コラムでは、離婚後の共同親権の制度内容、単独親権との違い、どのような基準で選ばれるのか、DVがある場合の扱いなどを、離婚問題を数多く扱う弁護士の視点から解説します(制度の詳細は法務省の特設ページもご参照ください)。

離婚後の共同親権とは(改正民法のポイント)

これまでの民法では、離婚後の親権は父母のどちらか一方のみが持つ「単独親権」に限られていました。しかし令和6年(2024年)に成立した「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号)が2026年4月1日に施行され、協議離婚・裁判離婚のいずれの場合でも、父母の双方を親権者とする「共同親権」を選択できるようになりました(改正後民法819条1項・2項)。

これにより、離婚時に父母が話し合って、単独親権と共同親権のどちらにするかを自由に選ぶことができるようになっています。

単独親権と離婚後の共同親権の違い

単独親権では、離婚後に父母の一方だけが親権(財産管理権・身上監護権)を持ち、子どもに関する重要な決定はその親が単独で行います。

一方、離婚後の共同親権では、父母双方が親権者となり、進学先の決定や重大な医療行為への同意など、子の利益に重要な影響を与える事項については、原則として父母が共同で判断することになります。ただし、日常の些細な事柄(食事や習い事の選択など)については、監護を行っている親が単独で決めることも認められています。

共同親権になったからといって、必ずしも子どもと二重に生活を共にするわけではなく、監護(実際に子どもと暮らし養育すること)は引き続き父母の一方が中心的に担うケースが多いと考えられます。親権と監護権は別の概念である点に注意が必要です。

共同親権にするか単独親権にするかは誰がどう決めるのか

協議離婚の場合

父母の話し合いにより、単独親権・共同親権のいずれかを自由に選んで定めることができます(改正後民法819条1項)。話し合いがまとまらない場合や、話し合いができない事情がある場合は、家庭裁判所に対して協議に代わる審判を申し立てることができます。

裁判所が関与する場合(調停・審判・裁判離婚)

協議が整わず調停・審判・裁判に移行した場合も、裁判所が父母の双方又は一方を親権者と定めます(改正後民法819条2項)。その判断にあたっては、「子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情」を考慮しなければならないとされており(同条7項)、単独親権・共同親権のいずれかが一律に優先されるわけではなく、個別の事案ごとに総合的に判断されます。

DV・虐待等がある場合は単独親権に限定される(必要的単独親権)

共同親権が選べるようになったとはいえ、すべてのケースで共同親権が認められるわけではありません。改正後民法819条7項但書は、次のいずれかに該当するときは、家庭裁判所は父母の一方を親権者と定めなければならないと規定しています。

  • 父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき(虐待等)
  • 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(暴力等)を受けるおそれがあるなど、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

DVやモラハラを受けてきた方にとって、共同親権により相手方と関わり続けなければならなくなるのではという不安は大きいと思いますが、法律上、こうした事情がある場合には単独親権とすることが原則となっています。相手からの暴力や心身に有害な言動の有無は、調停の利用状況なども含めて考慮されることになっています。

すでに離婚して単独親権になっている方への影響

改正法の施行前に離婚が成立し、すでに単独親権となっている場合でも、施行後に家庭裁判所へ親権者変更の申立てを行うことで、共同親権に変更できる可能性があります。ただし、変更が当然に認められるわけではなく、子の利益の観点から必要性が認められるかどうかが審理されます。現在単独親権となっている方が「共同親権に変更したい/されたくない」いずれの場合も、事前に弁護士へ相談し、見通しを確認しておくことをおすすめします。

離婚後の共同親権のメリットと注意すべきリスク

共同親権には、双方の親が子の養育に関わり続けられる、進学や医療などの重要な決定に非監護親の意見も反映されやすくなるといったメリットが期待される一方で、次のようなリスクも指摘されています。

  • 重要な決定のたびに元配偶者との合意形成が必要になり、意見が対立した場合に手続きが停滞するおそれがある
  • 緊急を要する医療行為など、合意形成の時間的余裕がない場面での対応をどうするか、事前の取り決めが重要になる
  • 元配偶者との関係性によっては、共同親権がかえって精神的負担になる場合もある

共同親権を選ぶべきか単独親権を選ぶべきかは、ご家庭の状況や元配偶者との関係性によって大きく異なります。制度上選べるようになったからといって、安易に共同親権を選択するのではなく、具体的な取り決め方まで含めて慎重に検討することが重要です。

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はなぞの綜合法律事務所では、東大阪オフィス・八尾オフィスの両拠点で、離婚に関するご相談をお受けしています。「共同親権と単独親権のどちらを選ぶべきか分からない」「相手から共同親権を求められて不安」「DVがあったが共同親権にされてしまわないか心配」など、今回の法改正に関するご相談も承っております。初回相談についてもお気軽にお問い合わせください。

まとめ

2026年4月の改正民法施行により、離婚後の共同親権が新たに選択できるようになりました。共同親権と単独親権のどちらを選ぶかは、父母の話し合いまたは裁判所の判断によって決まり、DVや虐待等がある場合には単独親権とすることが原則となります。すでに離婚して単独親権となっている方にも、親権者変更という形で影響が及ぶ可能性があります。制度が新しく、実務の運用もこれから積み重ねられていく分野ですので、ご自身のケースでどちらが適切か迷われた際は、早めに弁護士へご相談されることをおすすめします。

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